先の手が多すぎる盤面で
囲碁では手の候補が多く、途中の局面をどれだけ有利とみなすかも難しい問題でした。AlphaGoの論文は、候補の手を選ぶ方策ネットワークと、局面を評価する価値ネットワークを組み合わせます。
ここでの「直感」は、人間の感覚そのものが宿ったという意味ではありません。多くの例と対戦から学んだ計算が、どこを詳しく調べるか、先にどんな結果がありそうかの手がかりになるという捉え方ができます。
出典:Mastering the game of Go with deep neural networks and tree search
論文の対戦と、ソウルの対戦
2016年1月の論文が報告した人間との対戦は、ヨーロッパ王者の樊麾に対する5対0でした。DeepMindの記録では、その対戦は2015年10月に行われています。
2016年3月のソウルでは、李世乭に4対1で勝ちました。DeepMindの回顧は、第二局のAlphaGoの37手目と、李世乭が勝った第四局の78手目を取り上げています。勝利の数字だけでなく、人間の対局者が生み出した一手も、この事例の一部です。
出典:Mastering the game of Go with deep neural networks and tree search / AlphaGo — Our approach / The matches
棋譜から学び、自己対戦で改善する
2016年のAlphaGoは、人間の熟練者の棋譜を用いた教師あり学習と、自己対戦による強化学習を組み合わせました。教師あり学習では人間の手を手がかりにし、自己対戦では対局の結果から方策を改善します。
実際の手を決める際には、学習したネットワークとモンテカルロ木探索を組み合わせます。先の展開を試しながら探索する方法です。ネットワークだけ、あるいは全候補の単純な総当たりだけで勝ったと要約すると、この組み合わせが見えなくなります。
出典:Mastering the game of Go with deep neural networks and tree search / AlphaGo — Our approach / The matches
AlphaGoと、後の「Zero」を区別する
この時期のAlphaGoには人間の棋譜から学ぶ段階がありました。後のAlphaGo ZeroやAlphaZeroについて読むときは、学習に何を使ったかを記事や論文ごとに確かめる必要があります。
また、囲碁での勝率は、自由な会話や現実世界の判断の正しさをそのまま測る指標ではありません。Minigoは別の開発者たちによる独立した再現研究です。公式の対戦の記録と、後から仕組みを実装して試す記録を、両方読むと研究の広がりが見えてきます。
出典:Mastering the game of Go with deep neural networks and tree search / AlphaGo — Our approach / The matches / Minigo — AlphaGo Zeroに着想を得た独立した再現実装
出典をたどる
本文は資料をもとにした日本語の解説です。引用画像は個別に出典を表示しています。研究の結果と現在の製品の提供条件は区別して読んでください。
- 研究論文Mastering the game of Go with deep neural networks and tree search David Silver ほか / Nature · 2016-01-27 · 論文公開日。李世乭との2016年3月の対戦より前。
読む場所:Abstract、Fig.1・3・6の見出し、About this article
方策・価値ネットワーク、教師あり学習と自己対戦、探索の組み合わせ、樊麾戦5–0。出版社ページの抄録を確認。
資料確認 2026-10-29 - 研究機関・大学・企業の回顧AlphaGo — Our approach / The matches Google DeepMind · 資料自体の発行年は記載せず · 開発機関による回顧ページ。2015年と2016年の対戦を区別して読む。
読む場所:Our approach、The matches、Inventing winning moves
李世乭戦4–1、第二局37手目と第四局78手目、教師あり学習と自己対戦の順序。
資料確認 2026-10-29 - 独立した再現研究Minigo — AlphaGo Zeroに着想を得た独立した再現実装 Minigo contributors · 2017–2018 · RESULTSの最初期の試行時期。
読む場所:冒頭の非公式実装である旨、Goals、Selfplay
AlphaGo公式版との違い、自己対戦と探索、再現を重視する開発目的。
資料確認 2026-10-29
