← 年表のこの時代へ2020

RAG — 探した資料を、生成につなぐ

2020年の研究を起点に、検索する部分と文章を生成する部分を分けて見ます。出典が表示されることと、回答が裏付けられることの距離も扱います。

覚えていることだけで足りないとき、何を参照する?

2020年5月22日に初版を公開。資料検索と生成を組み合わせる研究の節目であり、すべての検索付きAIが原論文と同じ実装という意味ではありません。

展示記事更新 2026-10-29

その時代、何を目指した?

生成モデルの重みの中に入った情報だけで、すべての質問へ答えようとする必要はありません。関連する資料を外から探して使う構成が考えられます。

モデル内部の数値に知識を持たせるだけでは、新しい事実への更新や「どの資料が根拠か」の提示が難しくなります。必要な知識を外に置いたまま、文章生成に利用する方法が研究されました。

出典:Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks

実際には、何をした?

原論文のRAGは、Wikipediaの文書を検索する部分と、取り出した情報を利用して生成する部分を組み合わせています。原資料のMethodsを読むと、資料を保存する場所、検索器、生成器の役割が分かれています。

検索付きサービスがすべて原論文と同じ実装を使うわけではありません。資料を集めた範囲、文書の区切り方、検索方法、回答の作り方によって、失敗の起きる場所も変わります。

出典:Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks

資料を見て読む

質問に関連する資料を検索し、質問と資料を生成モデルへ渡し、回答と元資料を照合する。画像を原寸で開く
解説図

RAGの役割をつかむための模式図。検索の版・対象と、生成した主張の根拠を別々に確認します。RAGは、自己回帰や拡散と並ぶ排他的な生成方式ではなく、外部資料を生成につなぐ仕組みです。

AI ATLAS · 本サイト制作の解説図 · 原図を掲載。研究の実測値・実出力ではありません。

実現を支えたしくみ

2020年のRAG論文では、質問に関連するWikipediaの文章を検索し、質問と検索された文章を生成モデルへ渡す構成を検証しました。検索用の索引と、文章を生成するモデルの役割を分けた点が重要です。

見つからなかった資料、古い資料を選んだ問題、資料にない内容を書いた問題は別々に調べられます。RAGは、Transformerや拡散のようなモデルの構造・生成方式と同じ軸で分類する名前ではなく、検索と生成を組み合わせる構成です。

出典:Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks

何が変わり、何が残った?

これは検索そのものの発明ではなく、検索と生成を組み合わせる特定の研究です。また、資料を検索して参照する操作だけで、毎回モデルの重みが更新されるわけではありません。検索結果が正しい資料でも、生成した主張との一致は別に確認が必要です。

編集の視点:自分の資料を扱うAIを見るときは、「資料を探す」「選んだ箇所を使って答える」の2段階に分けて確認できます。答えが違うなら、検索で必要なページを逃したのか、見つけたページを誤読したのかを切り分けましょう。

出典:Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks

出典をたどる

本文は資料をもとにした日本語の解説です。引用画像は個別に出典を表示しています。研究の結果と現在の製品の提供条件は区別して読んでください。

  1. 研究論文Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks Lewis et al. / arXiv · 2020-05-22 · arXiv初公開

    読む場所:Abstract; Methods (retriever and generator); Implementation Details

    外部Wikipedia検索と生成の組合せ。質問と文書を生成側へ渡す構成。

    資料確認 2026-10-22
分野・レッスン・ツール・用語を横断して探せます
ESC で閉じるAI ATLAS / SEARCH