07RESEARCH
知る・深める

調査・情報収集

問いを立てる。根拠までたどる。

検索、資料の読み比べ、出典の確認。AIと一緒に、信頼できる答えを組み立てよう。

読む目安 24分5 STEPS確認 2026.10.22
調査・情報収集の制作物・手順を表す編集図解
編集図解 / RESEARCH
完成例・手順・比較から読む月の裏側は、ずっと暗い? AI調査を「根拠のある答え」にする実践ガイドを開く
この分野のゴール

出典をたどれる調査メモをつくり、自分の言葉で結論と限界を説明できる。

調べものの最初に必要なのは、長い回答よりも『何が分かれば終わりか』です。『環境について調べる』を『学校の紙ごみを減らす案を、費用・手間・効果の確かさで比べる』に変えるだけで、集める資料も読む順番も決めやすくなります。AIには問いを小さく分ける役を頼みましょう。

検索機能のあるAIは、関連ページを探して要点をまとめられます。資料を指定するタイプは、手元のPDFやノートを横断して読む助けになります。ただし、検索結果の要約も引用付きの回答も、原文を正しく読めている保証にはなりません。重要な主張はリンクを開き、誰が・いつ・どんな条件で述べたかを確認します。

このロードマップでつくるのは、答えだけのレポートではありません。調査の問い、採用した資料、食い違い、まだ分からない点を残した『考えた跡の見えるメモ』です。ツールが変わっても使える調査の習慣を、身近なテーマで身につけます。

AIと、こんなことができる。

01

知らないテーマの地図をつくる

専門用語、関係者、賛否、調べる順番を整理するところから始めます。AIが挙げた用語をそのまま正解とせず、公式の入門資料で意味を確かめると、その後の検索が具体的になります。

例えば:『学校に太陽光発電を置く』を、発電量・費用・設置場所・維持管理の4つの問いに分ける。

02

複数の資料を読み比べる

同じテーマについて、資料ごとの主張・根拠・対象・発表年を表にします。数字が違うときは、すぐに片方を誤りとせず、年度や調査対象、単位が違わないかを調べます。

例えば:自治体の報告書と企業の事例紹介を比べ、『導入した事実』と『効果の予測』を分ける。

03

新しい情報だけを拾う

公式の更新ページやRSSを定期的に確認し、以前の記録との差を残します。新しい製品名だけでなく、利用できる地域、公開範囲、実験版か正式版かといった条件を一緒に記録すると、後から使える情報になります。

例えば:生成AIの公式発表を週1回確認し、『何が変わったか/自分に関係するか/試すこと』を3行で残す。

ROADMAPLEARN → TRY → MAKE

5つのステップで、
「できる」を増やそう。

気になる段階から自由にどうぞ。前の段階を終える必要はありません。

01
入門 · 目安 30〜60分

調べる問いを1つに絞る

+

調査の終わりを自分で判断できるようにする。

学ぶこと

  • テーマと問いは別物。テーマは広い領域、問いは答えを探す具体的な質問です。
  • 対象・地域・期間・比較軸を決めると、必要な情報の範囲が見えてきます。
  • 調査前の予想を残すと、都合のよい情報だけを集めていないか振り返れます。

やってみよう

  1. 興味のあるテーマを書き、『誰の、どんな判断に役立つか』を1文で添える。
  2. AIに調べる問いを5案出してもらい、今の自分が確かめられる1案を選ぶ。
  3. 調べない範囲、必要な資料の種類、完成するメモの長さを決める。
つくるもの

問い・対象・期間・比較軸を書いた調査カード1枚

結果を確かめる観点
  • 調査を終える条件を説明できる。
  • 自分の好みに合わない結果が出ても受け入れられる問いになっている。
この段階の実例を読む
02
入門 · 目安 1〜2時間

出典を見つけて、原文へ行く

+

『AIが言った』から『この資料に書かれている』へ進む。

学ぶこと

  • 一次情報は、発表者や調査実施者などが直接公開した情報。解説記事は理解の入口になります。
  • 公式情報でも、製品の宣伝と第三者による検証は役割が違います。
  • 似た記事が何本あっても、同じ発表文を引用していれば独立した根拠は1つです。

やってみよう

  1. AI検索と通常の検索を使い、発表元・公的機関・研究機関の資料を3件探す。
  2. 各リンクを自分で開き、タイトル・発表日・該当箇所を記録する。
  3. 重要な主張を1つ選び、別の独立した情報源で確かめる。
つくるもの

3件の出典カードと、重要な主張の照合メモ

結果を確かめる観点
  • すべてのリンクを開き、内容を確認した。
  • 更新日と出来事が起きた日を区別している。
この段階の実例を読む
03
実践 · 目安 半日

資料に基づくノートをつくる

+

要約と根拠をセットで保存する。

学ぶこと

  • 資料を指定したAIにも、読み落としや数字の取り違えは起こりえます。
  • 要約では、結論だけでなく対象・条件・例外が失われやすくなります。
  • 引用は原文そのまま、要約は自分の言葉。両者を混ぜずに記録します。

やってみよう

  1. Gemini Notebookなどに、読める権限のある資料を3件登録する。
  2. 『資料間で一致すること、異なること、分からないこと』を出典付きで整理させる。
  3. 数字と固有名詞を原文で照合し、確認済みの部分だけ自分のメモに採用する。
つくるもの

根拠リンク付きの500〜800字メモ

結果を確かめる観点
  • 重要な文から元資料の該当箇所に戻れる。
  • 資料にない内容を推測として明示している。
この段階の実例を読む
04
実践 · 目安 1〜2日

比較して、結論の強さを決める

+

『おすすめ』の理由と、判断できない点を伝える。

学ぶこと

  • 比較軸は結果を見る前に決めると、結論に合わせて基準を変えにくくなります。
  • 事実・解釈・提案を分けると、読み手がどこに同意するか判断できます。
  • 資料が少ない場合の正直な結論は『まだ判断できない』になることもあります。

やってみよう

  1. 3つの案を同じ比較軸で並べ、根拠がないセルは『未確認』にする。
  2. AIに自分の結論への最も強い反論を出してもらい、追加で原文を確認する。
  3. 結論、理由2つ、限界1つ、次に調べたいこと1つをまとめる。
つくるもの

比較表1枚と、根拠・限界のある結論

結果を確かめる観点
  • 出典のない点数やランキングで説得していない。
  • 反対の資料を無視せず、結論にどう影響したか書いている。
この段階の実例を読む
05
応用 · 目安 1週間から継続

自分の情報観測所を育てる

+

情報を集め続ける仕組みと、見直す習慣をつくる。

学ぶこと

  • 定期収集では、新しさだけでなく自分の目的との関連が大切です。
  • 自動タスクを登録したことと、実際に正しく収集・保存できたことは別です。
  • 信頼できる記録には、取得日・出来事の日・元URL・未確認事項が残ります。

やってみよう

  1. テーマごとに公式の更新元を3〜5個選び、週1回確認する。
  2. 更新を『すぐ試す/記録だけ/対象外』に分け、理由を1文添える。
  3. 2週間後に収集結果を見直し、重複や不要な通知を減らす。
つくるもの

更新履歴と、次に試すことが分かる週報

結果を確かめる観点
  • 新しい情報がない週を『新情報なし』と記録できる。
  • 古い説明を更新したとき、その理由と日付が分かる。
この段階の実例を読む

練習時間は編集上の目安です。

TRY ITYOUR FIRST SMALL WIN
20分

20分で『出典をたどれる調査メモ』をつくる

  1. 自分の地域の図書館を1つ選び、『どんなデジタルサービスがあるか』を問いにする。
  2. 公式サイトで、サービス案内と利用案内の2ページを自分で開く。
  3. URLまたは本文をAIに渡し、下のプロンプトで整理させる。
  4. サービス名・利用条件・更新日を原文と照合し、未確認の点に印を付ける。
  5. 最後にAIの画面を閉じ、分かったことと次に確認したいことを自分の言葉で各1文書く。
コピーして、試してみよう
この2つの公式資料を使い、図書館のデジタルサービスを調べます。資料に書かれた範囲だけで、サービス名/できること/利用に必要な条件/根拠となるURLと見出しを表にしてください。資料を開けない場合は、そのことを先に伝えてください。記載がない情報は『未確認』とし、推測で埋めないでください。最後に資料間の食い違いと、追加確認すべき質問を示してください。
資料1:[URLまたは本文]
資料2:[URLまたは本文]

重要な情報を3つ、自分で元ページまで戻って説明できたら成功。表が長いことより、確かめられることが大切です。

次は、何をつくる?

入門30分

ニュースの『元の発表』を探そう

興味のあるニュースを1本選び、記事が参照する公式発表へたどります。記事の説明と元の発表を比べ、足された解釈を1つ探しましょう。

完成形:ニュースURL、原典URL、事実と解釈のメモ

実践半日

文化祭の改善提案を比べよう

案内表示、混雑対策、ごみ回収など1テーマを選びます。3案を費用・準備時間・確かめ方で比較し、学校固有の条件は先生や実行委員に確認します。

完成形:出典付き比較表と、試行できる提案1つ

応用週30分×3週

自分だけの週刊AI便り

好きな分野の公式発表を追い、毎週最大3件だけ選びます。新機能、試せる条件、実際に試した結果を分け、前週と同じ話は除きます。

完成形:発表日と確認日が分かる週報3号

TOOLBOXCHOOSE BY PURPOSE

道具は、目的で選ぼう。

まずはひとつ試して、必要になったら増やす。利用条件や提供範囲はリンク先で確認できます。

Perplexity公式ロゴ
検索の入口

Perplexity

公式サイト

Webの情報を検索し、出典リンクとともに要点を整理するサービス。

こんなときに

知らないテーマの用語や参照先を見つける入口に向いています。

最初に試すこと · 編集提案

1つの問いを検索し、回答の出典を2件自分で開く。

無料プランあり。高度な検索や回数はプランで異なります。条件確認 2026-10-22

ロゴの権利は各権利者に帰属します。 公式素材の出典

Gemini Notebook(旧NotebookLM)公式ロゴ
資料を深く読む

Gemini Notebook(旧NotebookLM)

公式サイト

自分で集めた資料をもとに、質問・整理・学習用の出力を行うGoogleのサービス。

こんなときに

『どの資料に書かれているか』を確認しながら読む練習に使えます。

最初に試すこと · 編集提案

同じテーマの公式資料を2つ登録し、一致点と相違点を尋ねる。

機能・利用上限はアカウントとプランにより異なります。条件確認 2026-10-22

ロゴの権利は各権利者に帰属します。 公式素材の出典

ChatGPT公式ロゴ
調査の組み立て

ChatGPT / deep research

公式サイト

問いの整理や、多段階のWeb調査と報告書づくりを支援する機能。

こんなときに

調査範囲・比較軸・使う情報源を先に決める練習と相性がよいです。

最初に試すこと · 編集提案

結論を求める前に、調査計画と不足している条件を出してもらう。

無料枠・有料プランあり。利用可否と回数は画面で確認します。条件確認 2026-10-22

ロゴの権利は各権利者に帰属します。 公式素材の出典

Elicit公式ロゴ
論文を探す・応用

Elicit

公式サイト

研究論文の探索、比較、情報抽出を支援する研究用AI。

こんなときに

自由研究を発展させ、研究の対象や方法を読み比べたいときに役立ちます。英語の論文を読む準備も必要です。

最初に試すこと · 編集提案

狭い研究の問いを1つ入力し、出てきた論文の要旨と研究方法を確認する。

Basicは無料。高度な調査や利用量は有料プランで拡張。条件確認 2026-10-22

ロゴの権利は各権利者に帰属します。 公式素材の出典

THEN → NOWUNDERSTAND THE CONTEXT

この分野は、どう変わった?

2020

検索した情報を使って生成する

RAGの研究論文が、外部文書の検索と文章生成を組み合わせる方法を示しました。AIの内部知識だけに頼らず、資料を参照する設計を理解する重要な節目です。

出典を読む
なぜ変わった? 仕組みと、今へのつながり

2020年の原論文。ここでの図書館の例と失敗の切り分けは、AI ATLASが用意した説明用の例です。

何が難しかった?

編集の視点:たとえば学校図書館の開館時間を知りたいとき、一般的な知識が豊富でも、その学校の最新の案内を持っていなければ答えられません。「よく知っているAI」を選ぶ以外に、必要な資料を届ける設計が必要です。

何が変わった?

RAGの原論文は、外部の文書を検索し、その内容を条件に答えを生成する方法を検証しました。質問と関連文書を組み合わせるので、調査の途中に「何を根拠として渡したか」という確認点が生まれます。

いま使うなら · 編集の視点

編集の視点:開館案内が見つからなければ検索の問題、古い案内を選べば資料選択の問題、正しい案内から時刻を読み違えれば生成の問題です。失敗を3つに分けると、検索語を変える・版を指定する・該当箇所を示す、という修正を選べます。

できることと、限界

検索された資料が少数なら、見つからなかった例外や反対意見が回答に現れないことがあります。「引用があるか」の次に、「引用はこの主張を本当に支えるか」「必要な資料を探し切ったか」を確かめます。

質問に関連する資料を検索し、質問と資料を生成モデルへ渡し、回答と元資料を照合する。
RAGの役割をつかむための模式図。検索の版・対象と、生成した主張の根拠を別々に確認します。RAGは、自己回帰や拡散と並ぶ排他的な生成方式ではなく、外部資料を生成につなぐ仕組みです。
根拠となる一次資料 · 内容確認 2026-10-22

研究・発表の説明と、学びへの応用案を区別しています。原論文と現在の製品が、同一の実装とは限りません。

2023

自分の資料と対話するノート

GoogleがNotebookLMの試験提供を開始。持ち込んだ資料を手がかりに、要約や質問を行う体験が形になりました。

出典を読む
2025

複数の検索を進めるDeep Research

OpenAIがdeep researchを発表。複雑な問いをもとに検索を繰り返し、出典付きでまとめる機能を提供しました。2026年には検索先の指定なども更新されています。

出典を読む
2026

NotebookLMからGemini Notebookへ

Googleは7月にNotebookLMをGemini Notebookへ名称変更したと発表。過去の教材を読むときは、当時の製品名と現在の案内を対応させて確認しましょう。

出典を読む
2026

論文検索から調査の一連の作業へ

Elicitは9月30日に従来の論文検索・情報抽出・論文チャットをResearch Agentへ統合しました。個々の道具を切り替える形から、問いに沿って作業を進める形への変化が見られます。

出典を読む
AI全体のあゆみを見る
GO DEEPERMAKE IT YOUR OWN

もう一歩、深く。

01

主張と証拠の対応表

『主張/直接の根拠/対象・条件/反対の資料/自分の判断』を1行にまとめます。強い根拠と弱い根拠が見えるため、文章の断定の強さを調整できます。

02

小さな文献レビュー

論文を5本程度選び、研究対象・測り方・結果・限界を同じ列で比較します。レビュー論文を地図として使い、結論を支える元論文も読むと、研究の流れが見えます。

03

RAGを自作して理解する

公開資料を小さく区切り、問いに関係する部分を検索してAIに渡す仕組みを試します。検索で必要な箇所を拾えたかと、拾った箇所から正しく答えたかを別々に評価するのがポイントです。

つまずいたら、ここを見直そう。

リンクがあるから正しい、と思う

出典ページに似た話があっても、AIの書いた主張全体を裏付けているとは限りません。特に数字、最上級、因果関係は、該当する一文や表までたどります。リンクが開けなければ確認済みにしません。

検索順位や多数決で信頼性を決める

上位表示、SNSの人気、同じ説明の件数は、正確さの証明ではありません。誰が調べたか、どの方法か、同じ元情報の転載ではないかを確認しましょう。

読む量を増やして終わらなくなる

追加の資料が結論を変えそうかを考えます。重要な比較軸が埋まり、未確認点を明記できたら、いったんまとめる。後から更新できる形で残すと、調査を続けやすくなります。

よくある疑問

AI検索だけでレポートを書いてもよい?+

AI検索は入口として使い、重要な主張は元資料を読みます。提出するなら、学校の提出ルールに沿って、参照した資料とAIを使った作業を説明できる状態にしましょう。

情報源によって結論が違うときは?+

発表年、対象、測り方、用語の定義を並べます。それでも一致しなければ、どちらかを無理に選ばず『条件によって結論が違う』と書くことができます。

最新のAIツールを全部追う必要はある?+

ありません。自分がつくりたいものに関係する分野を1〜2個選び、週1回確認するところから始めましょう。名前を覚えるより、1つ試して結果を記録する方が学びになります。

出典と、次の寄り道。

機能や歴史は一次情報を参照しています。練習課題と学習順序はAI ATLASの編集提案です。

  1. Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks Lewisほか / arXiv · 2020年のRAG原論文。検索と生成の組み合わせの歴史。 · 確認 2026-10-22
  2. NotebookLM: An AI-first notebook Google · 2023年7月のNotebookLM試験提供。現在の製品名とは区別。 · 確認 2026-10-22
  3. NotebookLM is now Gemini Notebook Google · 2026-07-16の名称変更と資料に基づくコード実行。提供条件は発表時点。 · 確認 2026-10-22
  4. Introducing deep research OpenAI · 2025年の公開、2026-02-10の検索先指定などの更新を確認。旧料金・回数は転載しない。 · 確認 2026-10-22
  5. What is Pro Search? Perplexity · 検索、情報統合、出典リンクの公式機能説明。利用モデル名は固定していない。 · 確認 2026-10-22
  6. Which Perplexity Subscription Plan is right for you? Perplexity · Standard無料プランの存在を確認。金額は掲載しない。 · 確認 2026-10-22
  7. Getting started with Elicit: Which workflow should I use? Elicit · Research Agent等の現行構成、2026-09-30の旧機能統合。 · 確認 2026-10-22
  8. Elicit Pricing Elicit · 無料Basicと有料プランの区分を確認。プラン別金額は転載しない。 · 確認 2026-10-22
  9. Deep research in ChatGPT OpenAI · 現行の開始方法・情報源指定・プラン別利用枠。 · 確認 2026-10-22
分野・レッスン・ツール・用語を横断して探せます
ESC で閉じるAI ATLAS / SEARCH